単純作業の効用は意外と大きい
owという、TypeScriptの型制限を拡張したOSSに何度かコミットして気づいたことは、単純作業は意外と効用が大きいということだ。
github.com
具体的に何をしたかというと、typescript-eslint
の、explicit-function-return-typeが無効になっていたのを、有効にした。
github.com
まずはじめにpackage.json
のexplicit-function-return-type
の設定を"off"
から"error"
に変更し、テストを走らせた。
https://github.com/sindresorhus/ow/pull/206/files#diff-7ae45ad102eab3b6d7e7896acd08c427a9b25b346470d7bc6507b6481575d519R89
あとは、そのテストが落ちた箇所にひたすら型をつけていった。
この型づけは自分的には単純作業のうちに入るのだが、自分のスキルはそれほど伸びないものの、得られる効用は大きい。
ほんの30分の型づけにより、これからこのOSSにコミットする全ての人は、function return type をつけなければならなくなった(つけないとテストが落ちる)。
これは、このOSSの保守性に直結することである。
関数が返す型が明確になると、初めてこのOSSに訪れる人のコードリーディングが捗るというオプションもついてくる。
このように、O(1)の単純作業でO(N)の効用が得られる。
ただし、個人的にはこのexplicit-function-return-type
を有効にするには然るべきタイミングがあると思っている。
まず、プロジェクトの初期からこれを有効にすると、テストが高確率で落ちることになり、開発スピードが落ちてしまう。
また、explicit-function-return-type
を有効にするときに、他のPRが溜まっている状態だったら、凄まじいコンフリクトが生じてしまう。
https://github.com/sindresorhus/ow/commits/main
なので、今回は、OSSとしてある程度枯れていること、他の人とPRが被らない時期であることを確認してから、このPRを出した。
ちなみにこういった単純作業をするときは、ミスチルの彩りを聴きながらすると捗る。